本を読んだり、読まなかったり

441 小池昌代他編  『やさしい現代詩』 三省堂

日本語の現代詩を読んでみようと図書館で借りてきた。詩人本人による朗読CD付。

冒頭はおなじみの谷川俊太郎で、とても谷川俊太郎らしい詩。(小さい声で)でもあんまり面白くないかな。はじめはたしかに「やさしい」詩もあるが、徐々に「ややむずかしい」詩になっていく。つまり、「これ、何言ってるの?」というもの。でもそこをぐっとこらえて何度も読むと、味が出てくる(ものもある)。伊藤比呂美の「ナシテ、モーネン」、白石かずこ「バス停」、稲川方人「西武線練馬映画劇場のおばあさんへ アミの手紙 古賀忠昭のために」(長い題!)が気に入った。

ひととおり読んでCDを聴く。谷川俊太郎は声が悪いなぁ。それから体格が貧弱なせいか、総じて日本人の声は深みがないのがさびしい。あと日本語って、音的にあまり美しくない言語だなぁと思う。残念ながら。日本語が音楽的に響くのはやっぱり七五調かな。現代詩では難しいように思う。(ドイツの学校で、「日本語ってはっきり言って音が汚いよね」と諸外国人たちに言われたときは憤慨して反論したものだけど。たしかにすごく美しいとはいえない。)

で、朗読はじゃあ良くなかったかというと、そうではなくてとても面白かった。黙読したときと比べて、印象が非常に良くなったものは、伊藤比呂美、ぶったまげたのが白石かずこ(読み方が大奥のお局様みたいだ。)平凡な読み方の人もいたし、ねじめ正一みたいにやたらと「芸」っぽくて白けたのもあった。

「西武線練馬映画劇場のおばあさんへ」は黙読のときもよかったけど、朗読を聴いたらぼろぼろ泣けた。あまりにしみじみした朗読だったので。奇しくも窓の外は雨が降りそうな天気で、「あたしにも傘、貸してください、西武線練馬映画劇場のおばあさん! いい人たちはみんな屋根の上だね!」と叫びたくなったよ。
(でももうちょっと淡々と読んだ方がいいのではないかとも思った。泣けたんだけどさ。)
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by tummycat | 2009-04-17 21:56