本を読んだり、読まなかったり

446 レベッカ・ブラウン 『若かった日々』  柴田元幸訳 マガジンハウス

作者が亡くなった父親、母親との日々を回想して綴る。

冒頭の天国についての想像がとてもいい。天国について想像すると、ひとつのバージョンは菜園にいろんな野菜が実っていてそこに日焼けして幸福そうな中年の女がいる。それが母親。もうひとつのバージョンは釣りをしている男で、それが父親。二人が一緒に幸せそうに微笑んでいるバージョンはない。二人は離婚したから。

そろそろ親を送る世代である。病気の親を看護しながら、人は親と自分が過ごした時間を思い出し、再体験することになる。仲良くできなかったり、強いわだかまりが残ったままの親子でも、親の死は否応なくやってくるのだ。原作の題名はThe End of Youth だけど、親を送るという体験は本当に若さの終わり― つまりこれを過ぎるか過ぎないかで自分がいる人生の段階が大きく違ってくる、そんな気がした。
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by tummycat | 2009-05-18 08:33