本を読んだり、読まなかったり

463  廣野由美 『視線は人を殺すか ―小説論11講』 MINERVA歴史文化ライブラリー

物語論(ナラトロジー)からの作品分析で、テーマは「視線」。様々な小説の中で視線がストーリー中でどのような働きをしているかを論じていく。でも論じ方が期待したほどでなくて、「で? それで何が言えるの?」と思ったところでいつも終わりになってしまう。こういう話なら当然出そうなフーコーのパノプティコンの話も出ないし(出なくちゃいけないという意味ではない)、視線というもの自体をもうちょっと深く論じてほしかったなぁ。レベルでいうと学部の2年生程度向き。3年生以上はこれでは物足らないだろう。インパクトのあるタイトルと表紙にフェルメールを使ったアイディアはたいへんよいと思います。
[PR]
by tummycat | 2009-08-10 12:13