本を読んだり、読まなかったり

473 高橋源一郎、山田詠美 『顰蹙文学カフェ』 講談社

高橋さんと山田さんが、「最近の新人って、顰蹙を買うような人がいないよね」と言い合ったのがきっかけで、では顰蹙を買っている貴重な人をよんで対談しようということになった。対談によばれたのは、島田雅彦、中原昌也、車谷長吉、古井由吉、瀬戸内寂聴。

中原昌也(読んだことない)のは顰蹙というよりはかわいくて漫才みたいにおかしい。車谷長吉(これも読んだことない)はたしかに顰蹙を買いそうだ。わたしが最近注目している古井由吉はいいねぇ。「権威」になりそうなところで逃げてしまった人らしい。やっぱりある時代の東大ドイツ文学系だなぁとわたしは思った。瀬戸内寂聴は「顰蹙を長くやっていると最後は昇華する」というもの。デビュー当時はあれほど叩かれ干されたのに、今では自分に向かって人が手を合わせてくれます、とのこと。

日本文学について語っているんだけど、新人作家の話がすごく多い。上の人たちについては悪口は言えないんだろうなぁ。それと、日本文学について語るとはいえ、少しは日本以外の国の文学の話が出るのかと思ったら、全く出ないのに驚いた。

新人賞の選考は昔は「ジャッジ」だったが、この頃は「スカウト」とか「カウンセラー」みたいな態度の選者も多くなったとのこと。それにしても文学賞の話が多かったな。誰かの作品を批評することは、それを元に自分の虚構を展開することであり、聞いているうちに「それってこの作品じゃないじゃん」ということになる、そのへんはわかる気がする。(わたしのシュウロンもきっとそうなのだ。)
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by tummycat | 2009-09-16 08:45