本を読んだり、読まなかったり

486  斉藤美奈子 『文学的商品学』 紀伊國屋書店

この著者の名前はよく目にするけれど、読んだのは初めて。日本の小説を「衣服」とか「バンド」とか「野球」などの記述に注目して読んでいくもの。初出はだいたい98年とか99年だったみたいで、その頃はこういうアプローチの評論が新鮮だったのかもしれない。著者が言ってることはだいたいにおいて賛成で、語り口が痛快で面白いからすいすい読めるけど、文学評論としてはあんまり驚くようなことは書いてないんじゃないの。小説をネタにした楽しい読み物という感じ。ただ、「貧乏小説」のところで、今はもう読まれることもない無名の作家の作品で、相当すごい貧乏を描いたものがあるらしくて、そういうのを発掘したのはえらい。(でも読んでみようとは思わない。)この著者のはあと1冊借りてあるのでそれも読むつもり。
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by tummycat | 2009-11-04 09:54