本を読んだり、読まなかったり

502 モーパッサン 『モーパッサン短編集』 山田登世子  ちくま文庫

特につまらなくもないのだが、非常に面白いとも思わなかった。不思議なことにわたしは小学校高学年の頃にやたらと大人の小説を読みたがり、たしかモーパッサンも読んでいたはずだ。何がよかったのか全然覚えていないけど。

大人になったいま読むモーパッサンは女を他者として見るドライなまなざしがあまり好きになれない。モーパッサンの世界には男がいて女がいる。まるでフランス語の名詞がすべて男性名詞と女性名詞に分れるみたいに。その「あたりまえ」さがちょっと憂鬱。

ひとつ面白いと思ったこと。よその男と不倫している既婚の女が、その男をだんだん疎ましく思うようになる。そのきっかけが、情事のあとでひとり服を着ていた女に「たいへんそうですね。お手伝いしましょうか」と言ったためだ。着替えをふだん小間使いに手伝わせている女にとって、自分ひとりで服を着るのはたいへんな作業なのだ。それなのにのんびりと「お手伝いしましょうか」などという鈍感男。たしかに嫌われてもしかたない。

十二単のころの女は情事のあとどのように着替えていたのだろうか。そばに小間使いがいなくて自分で着替えられたのか。それとも情事だろうが何だろうが小間使いは必須だったのか。
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by tummycat | 2010-01-11 10:46