本を読んだり、読まなかったり

540 ジャック・ルーボー 『麗しのオルタンス』 高橋啓訳 創元推理文庫

文学実験グループ「ウリポ」のメンバーによるミステリ仕立ての小説。グループにはレイモン・クノーやカルヴィーノなどがいる。読み始めるとカルヴィーノの『冬の夜』を思い起こさせる軽快な調子だ。エロティシズムたっぷりなのがカルヴィーノにはない特徴か。なにせヒロインのオルタンス(哲学で修論執筆中)がミニスカートなのに下着をうっかり着け忘れてたりするのだ。

冒頭に出る八百屋のオヤジ、店の前に立って女性を眺めるのが趣味なのだが、座って眺めるんじゃなくて立ってるのがすごい。体力あるのだ。それから彼が興味を持つ女性の年齢が15歳から59歳までというのがフランスらしいではないか。日本なら疲れるから立ちっぱなしではないだろうし、年齢もせいぜいが40歳ぐらいまでだろう。日本ではひどいのになると「女は30歳過ぎたらオバサンだ」などとほざく中年オヤジもいる。幼稚なのだ。(あ、感想がちょっとずれちゃった。)

猫が出るのがわたしとしては嬉しい。猫の名前はアレクサンドル・ウラディミロヴィッチといって高貴な生まれなのだ。推理小説っぽい仕立てだけれど全然まともな推理小説ではなくて、読み終わって「なんじゃらほい」という感じだったけどわりと楽しかった。
[PR]
by tummycat | 2010-07-18 22:40