本を読んだり、読まなかったり

545 カルヴィーノ 『レ・コスミコミケ』 米川良夫訳 早川書房

この夏は漱石関係の論文ばかり読んでいた。日本語の論文って入手しやすいし、すいすい読めるので歯止めがきかなくなる。そして漱石も漱石研究という世界も新鮮で面白いのだった。というわけで、この夏は他の本がほとんど読めなかった。7月に読んだ本は3冊、8月も3冊という記録的な少なさ!

そんな中、少しずつ読んでいたカルヴィーノをやっと読み終えた。宇宙的なこの感覚と合えばこの本は楽しめると思う。わたしは合うような合わないような。

短編のそれぞれの冒頭に科学事実風のもっともらしい短い説明があって、それからQfwfq老人の語りが始まる。大らかでスケールの大きいホラ話。ほどほどに色気もある。たとえば「ただ一点に」という話では、「宇宙の全物質がただ一つの点に集中していた時点」の話で、だれもかれも同じ一点にいたので大変に窮屈だったらしい。そんな中で色っぽくて気の良いある女性が「ねぇ、みなさん、おいしいスパゲッティをみなさんにご馳走してあげたいわ!」とふいに言うのだ。なんて感動的(笑)。
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by tummycat | 2010-09-03 13:41