本を読んだり、読まなかったり

547 斎藤美奈子 『それってどうなの主義』 文春文庫

時事ネタで書いた短い文章を集めたもの。書かれた時期が1998年ぐらいのものもあり、いま読むとかなり鮮度が落ちているというか、もう違う時代のような気がすることもある。

環境ホルモンが騒がれていたときの文章があるけれど、文庫化に際して付け加えられた後日談では、その後の調査で哺乳類には影響しないとわかったのだそうだ。そういえば今は全く聞かれない。一時は人類滅亡かというぐらい騒いでいたのに。こういうのを読むといちいち騒ぐのが馬鹿らしくなる。

国旗国歌の件など、この人のマイルドなサヨクぶりがなんとなくイイ子ちゃんぽくて、それこそ「それってどうなの」と言いたくなった。

この人は新潟出身らしくて、その縁でか新潟日報に寄稿しているのだが、その文章のひとつ、「越後美人と出稼ぎ女性」にたいへん感心した。よく「秋田美人」とか「越後美人」などの女性を褒める言葉がある。それらの地方は貧しくて女工上がりの娘を吉原などの遊郭に売ることが多かった。「越後美人」はその際のブランド作りではないかと筆者はにらんでいる。ブランドがあれば「越後美人です」と高く売れるというわけだ。こういう発想をするところが彼女の面白いところだ。続けて調べてもらいたい。
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by tummycat | 2010-09-09 09:09