本を読んだり、読まなかったり

561 田中優子 『江戸を歩く』 集英社新書ヴィジュアル版

時間つぶしのために入った書店で衝動買いした本。東京の学校に通っている間に東京を歩いてみたいと思っているので。(だがなかなか気持ちの余裕がない。)

東京を移動するときはたいてい電車・地下鉄であるのでわたしの頭の中の東京は路線図がベースになっている。山手線は円で表わされるのであのあたりの脳内地理も円なのだ。そんな具合で、秋葉原と東京は案外近いぐらいは知っているが、秋葉原と浅草がどういう位置関係にあるかなどは知らない。まったく、江戸に関する知識を得るより前に、東京の地理についていかに自分が無知かをまず思い知った。

で、江戸についてだが、南千住に死刑執行場があったのでこのあたりは人骨がたくさん埋まっているという話からスタートするこの本、何もかも知らないことだらけでたいへん面白く、勉強になった。南千住にはすぐ行く気にはならないが、いろいろと訪れてみたい場所ができた。

近松を読んで以来、遊郭に興味が出て来ているのだが、遊女についての研究はまだ進んでいないらしい。大抵の遊女は3年半ぐらいの契約で働いており、それが終わったら一般人に戻るのだという話は意外だった。遊女は観音菩薩として考えられ、周到に計画された江戸の構造において、寛永寺と増上寺が対応するように、北の吉原、南の品川の遊郭が江戸を守るために配置されているとのこと。

持ち歩きできるようなコンパクトな本にうまく情報を詰めるのは簡単ではないと思うが、それにしてもこの人、文章があまり上手くない。「わたしはここ(公園、寺、橋)が好きだ」としじゅう言うのがちょっと中学生っぽい。「ここに江戸がある」的なフレーズも何度も出る。田中優子の文章を読むのはわたしは初めてなのだが、他の本もやっぱり下手なのだろうか。
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by tummycat | 2010-10-25 08:36