本を読んだり、読まなかったり

570  高橋源一郎  『ミヤザワケンジ・グレーテストヒッツ』 集英社

ノロウィルスだろうかというような変な腹痛を抱えつつ読んだ。タイトルがあまり好きになれないけど、これはこの作者らしいところなのでしょう。考えたら高橋源一郎のフィクションを読むのはこれが初めて。

わたしは宮沢賢治は好きだけど全部読破したわけでもなく、高橋さんのこの本を読んでいて、ちらりちらりと出る本家の断片を、すぐに「これはアレ!」と分かるわけでもない。でも分かるときもあって、そんなときには高橋さんの世界と宮沢賢治の世界のずれ方と重なり方が面白い。できることなら両方をもっと丁寧に読みたいと思った。

作者は現代特有の問題にすごくこだわっていて、ネットとか老人とか介護とかセックスとかの問題が出るのだが、それらのどれもが死と生の問題なのだとこの本を読み終わったときに思った。読後感はかなり暗い。けど、悪くない。「プリオシン海岸」が特によかった。
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by tummycat | 2010-12-19 22:43