本を読んだり、読まなかったり

575  関礼子 『姉の力・樋口一葉』 ちくまライブラリー

去年の黒豆煮はシワがはいって失敗でした。もっと丁寧に作らないといけません。
そんなこんなで、今年もよろしくお願いします。
^^ ^^ ^^


上野千鶴子の本で紹介されていた一葉の評伝本を読んでみた。「姉の力」は柳田国男の「妹の力」に対する造語で、著者は一葉を戸主であり職業を持っていた<姉>的な女として分析する。一葉だけでなく、同時代のいろんなタイプの女性たち(特に一葉とまじわりのあった女性教育者タイプ)と比べての分析が興味深い。

いろいろ知らなかったことがあった。一葉は妹の邦子と仲が良く、邦子自身も文才があったということ。一葉の死後は邦子が作家一葉を演出したともいえるぐらいらしい。また、一葉が売れ始めたとき、女流作家の顔写真を載せた雑誌があったのだが、その扱いが、芸者の写真を載せるのと全く同じデザインだったという話など面白い。(そういえば現代でも美人の女性作家の顔写真はよく宣伝に使われるが、それを見る読者にとって作家が美人だということはどういう意味があるんだろう…?)他にも耳新しいエピソードがたくさん。

一葉の文章と筆と身体性の関係に注目する点は面白いと思ったのだがもう少し深く論考してもらいたかった。全体的に、アカデミックな文章に徹するのか、一般読者向けなのかのスタンスが曖昧。また全体の構成とか、論点と論点のつなげ方とか、あるいは単純に文章の巧拙とか、やや不満な点が多かった。でもやっぱり第三者だから欠点がよく見えるのだろう。論文を書くのは難しいです。
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by tummycat | 2011-01-02 21:05