本を読んだり、読まなかったり

576  キャロリン・ハイルブラン 『女の書く自伝』  大社淑子  みすず書房

前回の『姉の力・樋口一葉』で言及されていたので読んでみた。林芙美子の『放浪記』について考えるときにも参考になりそうだ。著者の書き方が熱くていかにも80年代のフェミニズムである。前半は伝記・自伝についての話で、女が書く自伝や男が書く女性作家の伝記の叙述の問題について述べているのだが、後半から女の生き方そのものの話になって、「初婚ではわからない。本当の結婚は再婚だよ」みたいな主張も出てくるので面食らった。でもわりと面白かった。

女は50過ぎてからが面白いのだから、後ろで閉まりかけているドアを気にして元気をなくしてないで、前で開きかけているドアに気がつけ、という指摘がよかった。ヴァージニア・ウルフもメイ・サートンも年を取ってから振り切れて、怒りやら権力欲を口にできるようになったんだよ、とのこと。

翻訳はよくある直訳調で、こなれていないのが残念。
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by tummycat | 2011-01-10 19:50