本を読んだり、読まなかったり

090 「私の選んだ文庫ベスト3」 丸谷才一編著 (ハヤカワ文庫JA)

面白い。この企画を思いついた人は頭がいいと思う。作家、評論家、実業家などいろんな人が自分が好きな作家についてその作家の文庫本のベスト3を選ぶというもの。つまり書評でもあるが、好きな作家へのファン・レターでもある。それぞれの思い入れがそれぞれの書き方で表される。

で、これを読んで、すでに自分が好きな作家についての文章は「そうそう。そうなんだよねー」と頷き、知らない作家については「へぇ、そうなんだ。ちょっと読んでみようかな」と食指が動く。そんな感じでわたしが好きだったのは、田村隆一選の山本夏彦、瀬戸内寂聴選のM・デュラス、諸井薫選の永井荷風、鹿島茂選のデュマ、如月小春選の正岡子規、安部譲二選のアポリネール、中山千夏選の深沢七郎、萩尾望都選のブラッドベリ。

萩尾望都の文章のこの一文にうなった。
「レイ・ブラッドベリは、成長する魂が一日ごとに世界に目覚めてゆくときめきを語り続けた作家だ。」こんなにズバリと言えるなんて並大抵のファンじゃない。
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by tummycat | 2004-02-18 00:00 | ま行