本を読んだり、読まなかったり

091 「小さな花」 加藤周一著 (かもがわ出版)

091 「小さな花」 加藤周一著 (かもがわ出版)

加藤周一という人については、「ヨーロッパ二つの窓 トレドとべネツィア」という堀田善衛との対談集以外には殆ど知らなかった。今回、この本を読んで、なんて感受性の豊かな人なのだろうと思った。

最近、よく考えることがある。自分のまわりの人たちの、感情の表現の豊かな人と貧しい人について。声のトーンも顔の表情もいつも平坦で、言葉の表現も地味な人を見ると、「この人はあまり感じていないのかしらん」と思ってしまうのだ。それとも、そういう人たちは充分に感じているけれど外に現れないだけなのか。

加藤周一という人はこの本を読む限り、たっぷりと感じて、しかもその感情を実に豊かに素直に言葉で表現する人だ。彼がこの本の中に書いている内容そのものよりも、そのことがとても強い印象になって残った。

それと、彼が訳したブレヒトの「子どもの十字軍」。気になる。
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by tummycat | 2004-02-18 00:00 | か行