本を読んだり、読まなかったり

117 「キャッツ」 T.S.エリオット著 (ちくま文庫)

10年以上前のこと。デトロイトにいつものように出張して、週末に電車でカナダのトロントにひとりで遊びに行った。市内観光をして、夜はミュージカル「キャッツ」を見に行った。特にぜひ行きたいというわけじゃなかったけど、やることがなかったから。とても人気のあるミュージカルだとは聞いていたけど、どんな内容かは知らなかった。で、見たのだけれど、英語が聴き取れず、話が全く理解できない。それだけじゃなく、見ていても面白くない。人間が演じる猫たちがいかにも人間が外側だけ真似した猫であって、ちっとも猫的じゃないのだ。

日本に帰って同僚のアメリカ人に「キャッツ、全然わからなくてつまらなかったよ」と言ったら、彼も見たことがあり「あれは難解だ。僕もよく分からなかった」と言ったので安心した。そうか、アメリカ人が見ても難解なのか。

そして今頃になって原作のT.S.エリオットの詩を読んだのだけど、驚いたことにちっとも難解じゃない。本当に猫好きな人が書いた猫の物語だ。これなら好きだし納得である。

笑ってしまったのは、わたしがミュージカルを見て一番印象的だった曲に「マイ・キャビティ」と聞こえるフレーズがあって、それをわたしは「My cavity (わたしの空洞)」だと思い、なにやら深遠で深刻な歌だと思い込んでいたのだが、それは単なる聞き間違いで、実際は「マキャビティ (Macavity) 」という猫の名前だったのだ。なーんだ。
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by tummycat | 2004-05-24 00:00 | あ行