本を読んだり、読まなかったり

128 「今かくあれど」  メイ・サートン著  (みすず書房)

知的職業についていた女性が老いて粗悪な老人ホームに入れられてしまってからの日々。与えられるトランキライザーをのむことを拒み、からだは老いても精神はちゃんとしていたいと主人公は願う。時折出会うまともな人との接触を喜ぶが、やがて自分の記憶もあいまいになっていく

読みようによっては推理小説のようでもある。手記を書いているのは老齢のため記憶や判断力がだんだん曖昧になっている女性で、彼女が書いていることが全部正確なわけではない。エンディングに向かって、書いている本人の精神力が少しずつ壊れていくのを見る恐怖がある。
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by tummycat | 2004-07-21 00:00 | さ行