本を読んだり、読まなかったり

133 「小僧の神様・城の崎にて」 志賀直哉著 (新潮文庫)

城崎に旅行したときにこの本を持っていった。なんて単純な発想...。
そしてこれも思い出になる。

「城の崎にて」は中学の頃に読んだけれど、内容は覚えていなかった。また「小僧の神様」は覚えているつもりだったのに再読すると、かなり記憶が間違っていた。どちらも中学生が読んで理解できるようなものではないと思う。小説にはそれぞれ読むべき時期がある。

今回読んで感心したのは、志賀直哉の文章の自然さ。読むものが文体を意識せずにすらすらと読める。名文だと感心しながら読むのは、考えてみれば内容より文章が目立ちすぎているということなのかもしれない。

内容については、どの短編も志賀直哉の分身のような男が主人公なのだが、「この人、つまんないことをうじうじと考えてるんだなぁ」とあきれてしまった。自分がこんなにもつまんない人間だということを小説に書いて恥ずかしくないのかなぁとまで思った。ただ「つまんない人間だ」だけで終わっていないのは「小僧の神様」で、ここまでくれば優れた文学作品だと思う。
[PR]
by tummycat | 2004-08-26 00:00 | さ行