本を読んだり、読まなかったり

153 「ラブ・イズ・ザ・ベスト」 佐野洋子著 (新潮文庫)

「がんばりません」に比べて、少しエッセイとしての形を整えながら書かれている本。でも土つきの元気な野菜であることは変わらない。

彼女の人生で出会った心に残る人たちの話。ひとりひとりがあまりに独自であることに圧倒される。日本に普通に住んでいる平凡な人たちなのにこんなにも個性的なのだ。彼女が詐欺でだまされることになる悪徳不動産屋でさえ、彼女の心にしっかり残る台詞を吐く。

ほしい本を一度に支払えない貧しい彼女に、自分が立て替えるから高い本を分割で払ってもいい、「沢山勉強して偉くなってください」と言う「丸善のヨシノさん」、近所からヤブだとバカにされながら、難しい病気になった著者の父親を最後まで手を取って看取り、亡くなったときには泣いてくれた「鈴木医院の鈴木先生」、その他うなってしまうような味のある人たちの話がいっぱい。人間って、面白い。
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by tummycat | 2004-12-13 00:00 | さ行