本を読んだり、読まなかったり

251  大岡信 「新・折々のうた 8」 岩波新書

■憚らず抱き合う女男のいる車内に吾は一個の南瓜となりぬ     伊良部喜代子

(ははは。わたしもそうです。わたしは意地悪な南瓜です。)

■鶯やわたし眠くて半熟卵      榎本愛子

(もっと眠いと温泉卵でしょうか。)

■あの兵士の肩の銃口の小ささは私の胸を撃つのに十分   三井修

(作者がバーレーンに駐在していたときの歌。わたしもバーレーンの空港に
寄ったとき
兵士たちの銃が怖かった。あの人がもし頭がおかしくなったら、
今ここで撃たれるのかしらと思った。
銃口は小さくて、その小ささが却って怖かった。)

■何がなし通りたくなき一画あり廻りみちする雨中散歩   清水房雄

(うちまで帰る道が何とおりかあるのだけれど、かわいそうな犬がいる道を
いつも避けている。)

■百合ひらき卵巣ひらき雷雲の湧くを見ているおみなのからだ    梅内美華子

(迫力の歌。からだの芯まで開くってどういうことか、わかるのは女だけ。)

■日本らしさ求むる米国の友人に浅草見せいて何かそぐわず   高島光

(よく思うことです。)

■鉛筆の音が隊列なしてくる記述問題解く教室に   林泉

(ああ、この表現、いいね。ほんとに隊列という感じだ、あの音は。)

■釦ひとつかけ違ふを見て老化ありと指摘する担当医好きだけど嫌ひ   増田恵美子

(歳を取ったら、どんな担当医につくのだろうな。いい人だったらいいな。)
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by tummycat | 2006-05-26 21:14 | あ行