本を読んだり、読まなかったり

285 A・ハクスリー 「すばらしい新世界」 講談社

期末レポートに反ユートピア小説について書こうと思いたち、まずはこの古典的な小説を読んでみた。

人間がそれぞれ幸せになっている未来社会。すべての人間は試験管から生まれ、それぞれの階級にふさわしい洗脳を受け、幸せな気分になる薬をのむ。そういう社会。一番上の階級の人間たちは体格や容姿にすぐれていて、頭もいい。みんな健康で、老醜さえ追い払い、スポーツを熱心にする。なんとなく、今のアメリカを彷彿させる。

そんな中で何かの拍子に規格外の人間が生まれてしまい、孤独に悩み、「不幸せでいる権利」を求める。

ヒューマニティとは何か。違和感、疎外感、不機嫌、老いや病気の苦しみ、そのような負の要素もひっくるめて健康な人間性なのだという認識。ある場所に奇跡的に残っていたシェイクスピアの本からのフレーズがところどころに引用されて、切ないぐらいに輝いている。(イギリス人にとってシェイクスピアがいかに大事なものかを感じる。)

次は大昔に読んだオーウェルの「1984年」。
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by tummycat | 2006-12-24 14:10 | は行