本を読んだり、読まなかったり

295 佐藤亜紀 「小説のストラテジー」 青土社

早稲田大学の講義を本にまとめたもの。いまどきの文学入門。文学も、美術や絵画を見るときに感じるような五感の快楽を感じさせる装置である。フィクションは記述の運動。オスカー・ワイルド曰く「批評家の意見が一致しないとき、作者は自分自身と一致している」(なるほど)。ひとつの作品の中にある複数の声の話。近代の文学においては、読者が口を開けて唯一の真を押し込まれていた。などなど。

ギリシア悲劇、チェスタトン、ユルスナール、笙野頼子など、引用されている作品をただちに読みたくなる。そして読まないかもしれないけど、『ロリータ』の冒頭の英語がすごくてうなった。内容じゃなくて音が官能的。
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by tummycat | 2007-02-07 18:17 | さ行