本を読んだり、読まなかったり

297 村上春樹 「東京奇譚集」 新潮社

ハワイに持っていこうと思っていたけれど旅行の前に読んでしまった。「海辺のカフカ」に通じる雰囲気の短編集。

不思議な実話というのが大好きなのである。この本も最初の「偶然の旅人」が一番よかった。乳癌の手術にからむ話。ここにも書かれているように、たぶん不思議な偶然は実はわたしたちのまわりでよく起きているのであって、たまたまそれに気づいたときに「不思議だねぇ」と感心するのだろう。

マンションの24階から26階に移動中に消えた男の話もよかった。ハワイでサーフィン中に鮫に襲われた息子の話も。ハワイではわたしも鮫に気をつけよう。男も女もそれぞれに心というやっかいなものを抱えている生き物である。生きているうちにはいろいろしんどいことがあるのだ。

こういう本を読むと、誰でもきっと「実はわたしにもこんなことがあった・・・」と話をしたくなるだろうけど、残念ながらわたしの身には不思議な偶然の出来事がちっとも起きない。でも実はしょっちゅう起きているけどわたしが気づいていないのだと思うよ。きっとね。
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by tummycat | 2007-02-16 09:05 | ま行