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本を読んだり、読まなかったり

298 リディア・デイヴィス 「ほとんど記憶のない女」 白水社

今回のリゾート本の1冊め。好みが別れるタイプの作品だ。わたしは大好き。主人公の女性と自分とずいぶん似ているところが多いと思う。似ていないところも多いけど。

フーコーをフランス語で読みながら、理解できるところとできないところについて考えるところ。カウボーイと結婚したいと思い、でも結局は夫があまりに自分の一部になっているからカウボーイと結婚するとしても夫を一緒に連れていくだろうと思ってしまうところなど、気持ちがよく分かる。

南仏の家の管理人として住み込んだときの経験が書いてあるが、そのとき一緒に暮らしていた相手はポール・オースターだったと後書きにある。オースターも今回のリゾート本に入っているのだ。面白い偶然。

訳者の岸本佐知子という人は最近人気らしい。
by tummycat | 2007-02-26 17:18 | た行