本を読んだり、読まなかったり

191 グレアム・グリーン 「二十一の短編」 早川書房

今回の旅行で読んだ本、リゾート本の1冊めはグリーンの渋い短編集。
描かれたテーマは様々だけれど、どれも感情を抑えた大人の文章だ。

中年になった男性があまり気の添わない妻と共に退屈をまぎらわすために
ブルーフィルムを見に行く。出演しているのは若い日の自分と恋人だった。
苦くてやさしい物語、「ブルーフィルム」。

「無垢なるもの」は久しぶりに故郷に帰った男が子供の頃に好きだった女の子に
宛てて書いた幼いラブレターを秘密の場所で見つけ、その内容を見て驚く話。
これもまた苦くてやさしい。

納得できなかったのは冒頭の「廃物破壊者たち」だ。貧しい老人がひとりで
なんとか住んでいる古い家屋を子供のグループが奇妙な熱心さで破壊する。
見事に家が消えてしまった状態を滑稽だと感じる人々。でもわたしには何が
滑稽なのかわからない。単に滑稽でないというよりも、むしろ不快に感じた。
この短編を特に冒頭に持ってきた編集の意図も理解できない。

もしかして...(と、読了後にしばらく考えてみたのだが)西洋人は物を破壊することに
対する感覚が日本人と違うのだろうか...。かつて日本バッシングの時期にアメリカで
日本製の電気製品をハンマーで壊して笑ってみせた議員たちの姿を思い出す。
またおなじみのパイを投げつける遊びのことなども。
どうもよく分からない。
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by tummycat | 2005-09-06 10:41 | か行